殺意萌え〜

 なんにしてもキーワードは「強気」あるいは「殺意」なのである。
 殺意萌え。ツンデレのツンばかっりの極致。コレがホントの「キルラヴ」みたいな?
 なかなか勘違いされる事だが、私はツンデレは余り好きではない。それは市場に出回ってるツンデレの多くはデレ分が多いのでダメである。殺意が足りない。
 っていうか、ツンデレには2パターンあって、「嫌いだったのが好きになる」パターンと、「ホントは好きだけど素直になれない」パターンがあり、私は後者は好きじゃないのだ。相手を嫌い、なんて言ってるのは自分の感情を誤魔化してるだけであり、実際はそんなに嫌いじゃないのでダメである。明確に嫌い、と言う感情からスタートしないとダメなのだ。むしろ、好きと嫌いが両立するところに、憎しみと愛が両立するところに萌えはある。
 前者にしても、ツンデレのダイナミズムは「大嫌い」→「いつのまにか好きに」という心境の変化にある訳だが、最近のは「ちょっと嫌い→好きかも」という上下の変化が薄くてダメである。
 刺激を求める私としては「殺してやる殺してやる絶対に殺してやる」からスタートしてその殺意を持ったまま「でも、死んで欲しくない」まで持って行きたい。
 その点、ベジータ様なんて最高である。カカロットをなんとかしてぶち殺そうと思ってたのがいつの間にか馴れ合ってしまい、そんな自分が嫌になって敵に操られることまでして自分の実力を底上げして決着をつけようとした。
 激しく萌える。悟空×ベジータだって食えるね。(どうなんだそれは)
 殺意ってのはネガティヴ感情として大いに嫌われる所だが、相手を殺してやりたいと思う感情が強いという事はそれだけ相手の事を強く意識し、考えていると言う事である。よく言われるように、大嫌いは大好きの裏返しである。
 相手の事が嫌いだから相手の一足一挙動、その全てが気になって仕方ない。そう言うネガティヴな感情がある時点を境に反転し、爆発する事に意義があるのである。
 凄い。
 哲学さんが萌えを語ってるよ。普段の哲学さんではあり得ないね。
 いや、相変わらず文章は硬いのだが。
 しかし、なかなかこの「殺意萌え」は流行らないだろうなぁ、と思う。自分を殺しに来た女を好きになるなんて事はまずないからである。
 某九州人は、数ヶ月前まで、隣の部屋に住む女から嫌がらせを受けてて「隣に住む女うぜー」とか言っていたが、そんな話を聞きつつちょっと萌えていたのは内緒の話だ。(最低だ)
 無論、私はサドなので、そうやって嫌がらせされることに快感を覚える訳ではない。嫌がらせしてくるようなヤツに仕返しするのが好きである。繰り返し言うが、そんなヤツに「NO」と言ってやるのは最高の快感である。

 でもまぁ、こういう「殺意萌え」が昔からなかったかと言うと案外似たような話は多い。特に少女漫画では常套手段である。
 例えばである。没落貴族・あるいは亡国の王子などが復讐のために復讐相手の娘に近づくが、最初は殺意を抱いてたのに次第に惚れてしまう、とか。
 逆に没落貴族の娘・亡国の姫などが復讐のために復讐相手・あるいはその息子に近づくが惚れてしまうとか。
 Wガンダムでも、ヒロイン・リリーナはヒイロ・ユイに「お前を殺す」と言われてもうキュンキュンである。そんなヒイロ×リリーナ、あるいはリリーナ×ヒイロな関係を見て女性ファンは沢山いたというし、案外こういう「殺意萌え」は女性に多いのかもしれない。信長×光秀もいいよね。
 こう考えていくと、互いに相手を嫌悪し合い、いがみ合う主人公とライバルキャラはそこら辺の殺意萌えに通ずる所があるかもしれない。
 うむ、段々哲学さんの趣向は一般的な気がしてきた。
 私の時代はかなりきてるかもしれない。それともかなりキてるだけだろうか?