オタクはうんちく好き

 オタクってのは大抵がうんちく好きの人間です。
 オタクってのは要は好奇心が強く、そして新しく知識を得る事に歓喜し、知識を得るたびに自分が偉くなった賢くなった、なんて気になってくる人種です。
 自分が興味を持った事に対してとてつもなく惹かれ、その対象の事をどこまでも知りたくなる。
 それは恋の感覚に近い。
 要は、オタクは事物に簡単に惚れて、その惚れた対象に対して過剰の知識欲と独占欲を抱く訳である。
 そんな訳で、設定が緻密で綿密なものほどオタクには好まれる。
 ところが、そう言う設定はやはり架空なものなのでどうしようもない穴がある時がある。
 「魔法なんてあるわけないジャン」とか突っ込まれたら興ざめである。
 だから、そう言う現実との乖離がなるべくない作品、あるいは理路整然となっている世界観が好まれる。
 奈須きのこ氏の作品が好まれるのは現実の中に上手く魔法的・伝奇的要素を取り込み、融合させているからだろう。
 特に、「概念武装」とか「魔法と魔術の違い」などの設定は秀逸である。
 まあ、こういう設定が大好きな人達にとっては、設定が緻密になりやすい「ScienceFiction」はとても好まれやすい。
 つまり、重度のオタクはSFを好む傾向がある。
 ただし、SFはその名の通り「科学」を重視する、科学考証などの理系知識が要求されたりするのでそこら辺がいやな人達には嫌われるし、敬遠される。
 つーか、オタクって実は勉強好きな奴らが多い。自覚はないが、好きな事に関してはずば抜けた記憶力と集中力を発揮する。数式とか全然覚えられない癖にアニメ作品の声優の名前と経歴を暗記してたり、何かの作品に出てくる台詞やシチュエーションなどの膨大な情報を軽々と記憶する。
 それは、本人が無自覚に「好きな作品」について勉強してるからであって、勉強が嫌いなオタク達は、結局「クソ作品の事を無理矢理覚えるのはヤダ」と言う心境を勉強に対して抱いてるのである。だから、日本史だけ異様に得意なヤツや、難しい漢字が馬鹿みたいに得意なヤツが出たりする訳だ。
 日本教育に英語を浸透させたかったら、良質の英語コミックとか、英語のライトノベルを教科書に導入すべきなのである。