追記
なんか、ライトノベルの揺籃とか言う記事を読んで何でこの人はそんなにも美少女ゲーム至上主義なんだろうか、と思った。
まあ、私の守備範囲は狭く、また、これまで美少女ゲームをほぼやって来なかった流行を追わないタイプの人間だったので視点が全然違うのだろう。私がやったビジュアルノベルは月姫とFate/stay nightくらいか。ひぐらしはやったことない。
今も昔も私はラノベ畑を中心に徘徊している。
と、いうか、ラノベ畑でデビューしてぇぇぇぇ、と言い続けて十年近く。ああ、才能ないなぁ。
文化とは融合によって起こるモノ。小説にアニメやマンガの要素を取り入れて、ラノベという新しい文化が出来た。
そんな感じで既存のメディアに他のメディアの手法を取り入れる事によって新しいジャンルは開発されていた。
あずまんが大王の「大阪」と言うキャラがなんで革新的だったかというとそれまで関西弁を喋るキャラはどいつもこいつも強気だったり、お喋りだったりと能動的なキャラだったのに、関西弁の天然ボケというキャラを作りだしたために新しかった……て説を聞いた事がある。情報ソースは思い出せない。
それでもって、ビジュアルノベルがライトノベルを育てた……というのは凄い極論というか曲論に思える。
スレイヤーズと前後する時代に出ていたノベル系ゲームといえば、「弟切草」とかの「サウンドノベル」それが「季節を抱いて」みたいなのがPSで出た。んで、ノベル系とは少し離れたポジションで少し前に「ときめきメモリアル」みたいなのがあった。
それよりもずっと前にPCのエロゲなんてものはあった。
でも、Win95以前のMS-DOS系のエロゲなんて世間一般からすればかなりのドマイナーだったと思う。
それがWin95・98の興隆を受けてガスッと一般に流布した。気がする。
VHSがエロビデオによって流布したのと似たようなことも起こってたんじゃないかねぇ。
ここら辺で、色んなジャンルが混ざった気がする。
TCG界でも、エロゲ原作のトレーディングカードゲームはバシバシ出たし、マンガ原作のTCG、アニメ原作のTCGもバンバン出た。世紀末はなんかなんでもカードにしてしまえの雰囲気も合ったと思う。
まあ、それはともかくとして、ラノベとビジュアルノベルでこういう議論が起こってるのは別々の系譜からスタートしたのが、最終的に似た形式に落ち着き、その互換性の高い二つのジャンルを見比べて、ユーザーも作り手もあっちに行ったりこっちに行ったりしてる感じだろうか。
あーあと、今唐突に思いついたけど、結局最近はビジュアル重視からストーリー重視の面が強くなったからライトノベルユーザーが増えたんじゃないだろうか。
某大作アニメで「作画と世界観だけは凄い」作品が出て、でも、どんだけ作画と世界観が凄くても「ストーリー」がとてもがっかりだったりしたりした。
そんな影響で、「見た目はともかく、中身がいいものをくれー」とストーリーに餓えた人達があの某大作アニメの前後に沢山出た気もする。
とはいえ、やっぱりストーリーはよくても絵の汚いアニメとかマンガは支持されにくい。「ジョジョ」みたいに絵の強烈なモノは受け入れられにくい。
じゃあどうするか。
○ビジュアル→ラノベの挿絵
○ストーリー→ラノベの内容
で補完。になったんじゃないだろうか。ラノベの挿絵なら作画が崩れる事はアニメほどは多くない……様に思える。
とはいえ、小説を一冊まるまる読む元気のない人はやっぱり、アニメ・マンガ・ゲームから出てこない。
大体、小学校の頃に「アニメを見てました」「ゲームをやってました」「マンガを読んでました」と言う人は数多く居るけれど、「小学校の頃はバンバン小説読んでました!!」なんて言うヤツはとても少ないと思う。
この辺の事象が小説が他のメディアと一線を画す所だと思う。
例えば、小学生とかが、オタク向けの「アニメ」「ゲーム」「マンガ」とかを見る・遊ぶ・読む、などした時、「内容は良く分かんないけど、なにか感動した」なーんてことは起こることもちょっとはあると思う。
でも、小学生がラノベを読んで「内容はよく分かんないけど、無性に感動した」……なんてことにはならないと思う。
結局、小説は、本人の読解力、あるいは妄想力が必要とされるので、読み手にある一定水準以上の言語能力と知識が要求される。
んで、ビジュアルノベルは、「ゲーム」と「小説」の中間。なんせ、「小説のゲーム」だもの。
小説を読み解くだけの力はあるが、小説を読み切るだけの気力とかそんなものがない人達にとっては丁度いい条件。
なわけで、「ラノベ」と「ビジュアルノベル」の親和性は高い。
ラノベをビジュアルノベルに出来るし、ビジュアルノベルもラノベに出来る。
私が今書いてる「Gaia Fragments」も知り合いから
「ネットで小説なんて流行らないからビジュアルノベルにしたらどう?」
なんて言われる。
「で、ビジュアルノベルで売れたら小説として本を出せばいいじゃーん」
みたいな事を言われた。
私としては
「売れるビジュアルノベル作るだけの技量があればとっくにメジャーデビューしてるわぁぁぁ」
と頭を抱えるところ。
ま、それはいいとしてラノベユーザーにとって、ビジュアルノベルは
「手軽に読める小説」
という認識が強い……気もする。