ワールド・アパート
ご存じアジアンカンフーの曲より。
最近少子化が進んでいることが問題になっている。
それは色々な要因があるけれど、やっぱり日本人が昔より馴れ合わなくなったからと思ったりする。
ワールドアパートの由来は、「分断される世界」らしい。アパートとは「分断する」と言う意味がある。
歌詞を追っていけばその意味は自ずと分かる。
最近はネットワーク社会が進み、人々が集団から個人に分断されている気がする。
最も顕著な例はヒキコモリなどだろう。彼らは物理的には他人との接触をかなり断っている。
それでなくとも、バイト仲間などで馴れ合わない人は昔より増えたと思うし、同じ職場の人間でも他人との付き合いは昔に比べれば浅くなっていると思う。
例えば、社員旅行なんかはもう「うざい」などと言われているし、会社の飲み会も「なんでプライベートでまで会社に付き合わないといけないのか」と敬遠する傾向が多いらしい。
大体最近は転職が普通になってきているので同じ会社内でも長く同僚がいるとも限らない。
そうなると、人間関係がどうしても短期間で積み上げるモノになるので人間関係が成熟しにくい。
男女の恋愛関係を作るのにどうすればいいかというと、それは大概単純なモノで、長期間同じ空間に強制的に居させればいいだけである。
その一番の場所は学校だろう。
学校というのは不思議な場で、色んな種類の人間が一緒くたに一つの場所に集まり、嫌でも毎日顔合わせをしなければならない。
しかも、それは最低でも一年以上続く。
人間とはそう言う環境に置かれた場合、環境に適応するために、何のかんので相手を好きになるしかない。嫌いな人間と四六時中一緒にいるのは耐えられないからだ。故に、嫌いな人間と一緒になっても時間と共にある程度の折り合いをつけ、嫌いながらも「同じクラスメート」などという微妙な愛着を持つようになる。
これは会社でも一緒で、大嫌いな人間とチームを組んだとしても、目的のためにぶつかり合うウチになーんとなく互いを同じ仲間として愛着を持ったりするものだ。
――が、こういう環境適応能力は若い内にコミュニケーション能力をしっかりと育て上げていないといけない。
小学校の時点でどうしてもなれ合えない人間に遭遇し、登校拒否になり、転校してしまったり、陰湿なイジメに発展してしまったり、あるいは小学校入学から高校卒業まで一切他人となれ合わない人間で育ってきてしまったり――そうなってしまうと我慢強さも足りなくなるし、恋愛にも発展しない。
他人との距離感が分からなくなる。
大抵の人間は弱いものだから、待ちですれ違った人間に一目惚れして、追いかける勇気もないし、テレビで見た有名人と仲良くなるために命がけでアプローチしたりすることはない。そんな漫画やドラマのような恋愛はなく、大抵は知り合いの中から恋愛が発展していくモノだ。
だが、その知り合いが形成されにくくなっていれば――おのずと人と人の繋がりは薄れるし、結婚もされにくいだろう。
勿論、どうしても好きになれない人間や、折り合いのつけられない人間関係というモノは確かにある。しかし、それを打破する人間も確かにいたように思う。
まあ要は――もっとコミュニケーションをしようってことで。