「ハイパーカブトが未来へ行く方法」

 上記の理論で行けば、「ハイパークロックアップ」で「現在から未来へ行く」機能はないはずである。
 よくあるタイムマシンもののSFでは「時間移動が可能」と言う場合は「未来から過去へ行く事」も「過去から未来へ行く事」も出来る場合が多い。
 だが、少なくとも、「過去に行く事」と「未来に行く事」は原理的に正反対な事なので、片方が出来たからと言って、もう片方が出来るとは限らないのである。
 実際問題、未来へ行くだけなら現在の科学力でも理論上は可能である。だが、どうあがいても現在の科学力では過去に行く事は不可能なのだが。
 では、現在の技術で可能と思われる未来への行き方を説明しよう。
 上記のような「時間の川」が存在するとすれば、未来に行くには「川に流されずその場で立ち止まる」ことが出来ればいい。
 つまり、「自分の時間」を止めれば未来にも行けるはずなのである。
 例えば最近では「涼宮ハルヒの憂鬱」のエピソードの一つ「笹の葉ラプソディ」でタイムマシンをなくした「キョン」と「みくる」が過去から現在へと帰った方法が有名だろうか。
 他のSF作品の方法ならば<コールドスリープ>が有名だろう。
 人体を冷凍保存し、未来に解凍すれば、冷凍されていた人間には寝て起きたら未来、と言う訳である。
 だが、今のところハイパーカブトにこの様な「時間凍結能力」はなさそうなので、この方法でハイパーカブトは未来には行けない。
 もう一つの方法としては、「時間の流れから離れる」と言う方法がある。「別の時間の流れに行って戻ってくる」、と言うと分かりにくいが、一言で説明すれば「ウラシマ効果」である。
 これはハイパーカブトでも可能である。と、言うよりは通常の「クロックアップ」を常にしつつ行動すればいいのである。とはいえ、長時間の「クロックアップ」は肉体に悪影響があるのでライダーシステムが短時間で強制的に解除してしまうが。
 取りあえず、ハイパーカブトが未来に行きたいならば、せっかく大気圏再突入能力と宇宙飛行能力があるので、光速にかぎりなく近い(だが、光よりは遅いスピード。追い越せば過去に行ってしまうから)で少し宇宙に行って戻ってこればいいのである。それで多分未来に行けるはずだ。
 とはいえ、これだと恐らく数日単位の未来へ行く等という微調整は効かず、数年単位の未来へと行ってしまうだろう。
 私的な結論としては、「ハイパーカブト」が未来へ行く事は「現実的出来はない」と言う事である。