【映画】新世紀ヱヴァンゲリオン 新劇場版:序

 予め言っておくと哲学さんはテレビシリーズを一回だけ、劇場版を一回通しで見ているだけである。なので記憶違いがあるかも知れない。
 考察を交えつつ感想などを書いていく。

 あと、ネタバレ満載なのでよろしく。

●海がLCLのように赤い
 いきなり吹いた。
 映画の一番最初のシーン。シンジくんがミサトさんを待ってるシーン。第二新東京市が水没してる場所が全部真っ赤っか。あれ絶対LCLだよね。ちなみにLCLエヴァに乗る時に注入される水。血のように赤い。
 ていうか、その後シンジ君やミサトさんが風呂に入るシーンでも真っ赤な水の風呂に入っていた。あの世界の水は全部LCLなのか。
 あーでも、ヤシマ作戦の時、湖の色は青だったなぁ。あそこだけ青。風呂は海水だったのだろうか。
 シンジも赤い浴槽を見て何故突っ込まなかったのか。

●世界の崩壊が前回よりも激しい
 サキエルが来る前からビルが吹き飛んで地面に突き刺さってたり戦車が倒れてたり……違和感。
 あと、ミサトとリツコの親友同士の会話は相変わらずあるのだが、何故か工事中のところでリフトで移動している所が。
 あれって、もしかして旧劇場版で自衛隊に侵入された時に爆破した辺りじゃないだろうか。いや、あのリフトのシーンはテレビ版であったっけ?覚えてない。会話そのものはあったことを覚えてるけど、場所が違う気がする。

●『第四使徒サキエル
 何故か第四使徒とか言われてるサキエル
 ていうかその後も『第五使徒シャムシエル』『第六使徒ラミエル』とか出てくる。
 明らかに一つ番号がずれている。

●エビスビール
 ミサトさんの冷蔵庫の中身がエビチビールがエビスビールになってた。後、ピザハットの広告が電車にあった。これは世界が一巡した証拠……ごめん、嘘です。スポンサーになったのね。

●第五使徒シャムシエル
 サキエルと同じ仮面が首元にある。順番も繰り上げ。
 そして、倒した後溶解。溶けてしまったのでシャムシエルの死体を解剖して「エヴァンゲリオンとほぼ同じよ」とリツコさんが言うことがなくなってしまった。

●「もういいです! ミサトさんのところに連れて行ってください!」
 相変わらずシャムシエルを倒した後に逃げ出すシンジ君。しかしながら、今回は道が壊れているのを見て、尾行していた人達にもう家出にも飽きたので迎えに来いと叫び出す。某メガネくんと合流しない。
 解釈によって変わるだろうけど、自分の意志で戻ることにした。

●「自分で決めなさい」
 逃げ出した後にうやむやにミサトさんに迎え入れられるのではなく、帰るのかどうか自分で決めなさい、と判断を迫られる。で、自分の判断で残ることを決めるシンジ君。ただただ流されるだけだった前回より意志の志向性が変わっている。


●父親が苦手なミサト
 ミサトが「父親」というキーワードを口にする時や何か不安定になっている時、無意識なのか胸元にある父親の形見のペンダントを弄くることが多い。特にリツコと会話してる時にそれは顕著だった。ミサトの過去に配慮しての演出だろう。

●「予定通り逃げ出したな」「次はレイを近づけさせる」
 今回の死海文書にはシンジ君が家出することまで書かれてるとか吹いた。んで次は女の子と仲良くさせろってか。なんて厭な予言書。

●第六使徒ラミエル出現
 ただの八面体から完全変形型ピギャースちゃんに変更。基本は八面体だけど攻撃する時に変形したりダメージ喰らったら余りの痛さにハリネズミに変形したりとやけに可愛く。

ラミエルビームで都市パージ
 ラミエルのビーム喰らったエヴァを助けるためにミサトさん、第三新東京の一部ブロックをパージして地下へと落下させて救出。なんて大胆な、というか……ジオフロントに落下した衝撃でシンジ君は死んでないか?

ヤシマ作戦発令!
 ラミエル登場からこっち、同一シーンが大幅に減ってオリジナル展開へ。やってることは一緒だけど日本中の力が結集して使徒殲滅のために動くというダイナミズムが溢れててよい。
 そんな中、シンジ君は使徒に胸ぐらぶち抜かれたショックでまた恐慌状態に。(当たり前だ)
 しかし、この会議のシーン凄く好き。

●「自分の意志で残ったんだから、自分の責任を果たしなさい」
 仕事の時はドライなミサトさん。でも、14歳の少年にそこまでの意志がある訳でもなくやはり搭乗拒否。

●「ミサトさんはいいですよね。地下で命令するだけで、実際に死ぬのは僕ですもんね」
 卑屈さ倍増。そこでミサトさん、シンジ君の手を握りしめて走り出す。

セントラルドグマ潜入
 なんであんなのと戦うんだと駄々こねるシンジくんに対しミサトさん、いきなりジオフロントの最下層までつれっててセントラルドグマ解禁。いきなりの展開にビックリ。
 そしてセントラルドグマはそのエリア区画そのものが内蔵の如くビクンビクン動いて血管みたいなものがそこら中に張り巡らされている。
 そこにあるのは真っ白で巨大な体に小さな赤い槍の刺さった巨人。サキエルと同じ仮面をつけている。

「第三使徒リリスよ」「第二の使徒リリスよ」
 待て。第三使徒しかも、リリス。前回ではアダムと間違われてたけど今回はミスリードなし。そして、何故かサキエルと同じ仮面している。
 で、これを敵の使徒に渡さない為に戦っているとミサトさんが明言。しかも、これが敵に渡るくらいなら自動的に自爆する。で、職員みんなも人類を守るために死ぬ覚悟を持って仕事していると言う。
 そして、手を握りしめたままシンジはもう一度エヴァに乗ることを決意。

追記:二回目見に行ったらリリスは第二使徒って言ってました。勘違い。

●クラスメイトからの電話
 映画版では余り描かれなかったクラスメイトとの交流だが、ヤシマ作戦前に頑張れよ、と電話の伝言。ここでみんなから勇気を貰ったりする。

●ショート・ポニーテールなミサトさん
 関係ないけど、今回の劇場版では屋外のミサトさんは第二話でビール飲んでた時みたいに後ろで髪をくくった状態が多い。あれはいいものだ。

●「使徒を後八体倒さないと人類に未来はないわ」
 使徒があと8体と宣言される。
 第六使徒ラミエルを倒す前にこんなことを言うと言うことは、使徒は合計13体ということになる。
 前回のテレビシリーズでは第17使徒まで戦って、第18使徒が人間だと明かされる。つまり、4体は確実に減らされている。

ヤシマ作戦決行
 エネルギーの収束に至るまでの過程の描写が凄い緻密に。
 そして、おとりとしてミサイルやら固定砲台による援護射撃でラミエルの注意をひたすら逸らす。
 いきなり砲撃した前回と違って今回は徹底してたった一度の射撃を成功させるために死力を尽くしている。
 その甲斐あって、第一射命中。
 ハリネズミみたいな形に変形してもだえ苦しむけど、ダメージが足りなかったのか、数ミリ単位で逸れていたのかなんとか踏ん張って逆に初号機に反撃。初号機が吹き飛ばされる。

●地面に這い蹲る初号機
 ダメージで動けない初号機。第二射をすぐ打たないと行けないが、吹き飛ばされた場所から狙撃ポイントに戻らないといけない。
 動けないシンジを見捨ててレイに射撃させろという碇指令。
 ところがそこでミサトさんが割ってはいる。自分の意志で戦うことを決めたシンジに最後までやらせてあげてくださいと嘆願。
「自分の息子を信じられないんですか?」
「……任せる」
「ありがとうございます」
 この描写で父と子の確執を更に描いたのは秀逸だなぁ、と思った。
 ゲンドウとのこのやりとりのおかげでヤシマ作戦がぐっと面白くなったと思う。

●そして起きあがる初号機。
 ここでシンジ君が起きあがるシーンで凄い感動。以前の彼ならばここで決して立ち上がることはなかったと思う。間違いなく、二発目を打つよりも、ここで立ち上がるシーンがこの映画のクライマックス。ここでシンジ君が立ち上がると言うことに意義がある。
 で、敵の二射をレイが防いで、二射目で撃破。


●目覚めるカヲルくん
 月にある棺桶でゼーレのキール議長の声に起こされるカヲルくん。棺桶はぱっと見た感じ9つあった。
 それでカヲルくんの隣で旧劇場版のリリスが寝てる。……もしかしたらあれが本物の「アダム」なのかもしれない。

●「また三番目とはね。変わらないな君は。会える時が楽しみだよ。碇シンジ君」
 此処にいたって「また」とか言うのでもうこれは完全に旧劇場版の人類補完計画で作り直された後の世界と考えていいのではなかろうか。
 そう考えると、使徒の順番が繰り上げされてる理由も自ずと推測される。
 第2使徒がアダムで、第1使徒「レイ」か「シンジ」の可能性が高いのではなかろうか。
 そう考えるとカヲルくんの隣で眠ってた旧版のリリスが第一使徒「レイ」ということも考えられる。

追記:リリスが第2使徒だったので、アダムもたぶん第一使徒。じゃあ、空席の第三使徒は誰か。エヴァ初号機な気もするし、カヲルくんかもしれない。まあ、これからに期待。

●次回もサービスサービス
 ミサトさんによる次回予告。
 暴走する三号機、消失する四号機、なんか忘れたけど五号機、そして月から降ってくる六号機。
 少しずつ壊れていく碇シンジの物語。
 今回はちょっとしか変わってなかったがもう次回からは新規要素が目白押しらしいというか、月から降りてくる六号機にワクテカが止まらない。
 本当に次回が楽しみだ。

●旧版からの続きだと仮定した場合
 一般的にはループ説が多い。
 しかし、哲学さんとしてはループではないかなぁ、と思う。
 ループというよりはやり直し。
 旧劇場版で人類補完計画が終わった後、に作り直された世界。「再構築」された世界じゃないかな、と言う話。
 その証左としてあげられるのが、年代が2015年と書かれなかったこと。
 もしかしたら新劇場版は2017年くらいなのかなぁ、みたいな。
 他の要因としては、人類補完計画の進歩状況が「第27次中間報告」。前回はもっと少ない数だった気がする。
 とはいえ、世界を再構築した際に使徒まで再構築するのはおかしいなぁ、とも思うけど、使徒を再構築しないとカヲルくんとまた会えないんだよね。
 後、使徒が出てこないとミサトさんやレイ、アスカとも会うことが出来なくなる。
 じゃ、時間を逆戻しにしないで、アスカを再生したみたいに自分の好きな人だけを再生すればいいじゃないか――という話もあるが、それをすると多分、人類補完計画LCL化して取り込まれなかった人達は復活せず――つまりはカヲルくんとかも復活しないのかなぁ、と思う訳で。
 取りあえず、哲学さんとしては「THE END OF〜」の人類補完計画→世界再生→サキエルからやり直しの流れかなぁ、と思う。